1. HOME
  2. お役立ち情報
  3. 電子回路技術情報よもやま塾
  4. 第54回:部品定数のE系列

第54回:部品定数のE系列

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
第54回:部品定数のE系列

電気・電子関係に限ったことではありませんが、装置、製品を構成する部品として、かなりの割合で、規格品、あるいは、標準品と呼ばれる部品が使われていることは、ご存じでしょう。

部品の標準化、共通化の利点については、ここで力説するまでもないと思います。実際、特段の理由がなければ、標準品で済むところに特注品を使うような設計をすることはないでしょう。

電気・電子回路でポピュラーな部品といえば、抵抗、コンデンサです。これらの部品は、E12系列、E24系列などの定数値のものが生産・供給されており、容易に入手可能です。

E12系列、E24系列などの数値は、等比数列(の近似値)となっていますが、これには、技術的な合理性があります。定数値の許容誤差との整合性、および、回路設計において、定数値の差ではなく定数値の比がより本質的であることに合致しています。

余談ですが、50年ほど前には、E系列というものはなかったようで、50KΩの抵抗、250pFのコンデンサなどを使った覚えがあります。もちろん、真空管回路での話です。

もう一つ、余談ですが、皆さんは、E24系列の数値を1から10まで、暗記しているでしょうか。実務経験を積むにつれて、自然と覚えてしまうものですが、初心者は、「奇妙な数値」に戸惑うのではないでしょうか。

さて、回路設計において、計算などで最適な抵抗値(絶対値)が決定される場合ならば、その値に最も近い抵抗をE24系列などから選択すればよいのですが、通常、設計上許容される抵抗値には幅があります。

私個人の大まかな感覚では、「倍、半分」くらいの許容範囲は「ごく普通」ですし、「10倍までOK」も珍しくないと思われます。

以前、オペアンプ回路の抵抗値について取り上げたことがありましたが、帰還抵抗として10KΩあたりが妥当であるとして、4.7 KΩ~22 KΩの範囲であれば、ほとんど問題は起こらないでしょう。

このように選択に幅がある場合には、「部品の種類を減らす」ことを考慮するのが実践的設計です。堅苦しい表現になってしまいましたが、要するに「よく使われている抵抗値を選ぶ」だけです。例えば、特段の理由がない限り、11 KΩではなく、10 KΩを使いましょう・・・、申し訳ありません、話が極端過ぎました。

あくまで個人的経験の範囲内での話ですが、よく見かける抵抗値は、1 KΩ~10 KΩならば、1 KΩ、2.2 KΩ、4.7 KΩ、10 KΩです。次いで、3.3 KΩでしょうか。1.5 KΩ、6.8 KΩは意外に少ない気がします。

また、設計者個人、あるいは、会社によって、抵抗値の「好み」というか、「片寄り」が見受けられることもあります。かつて、リードタイプの抵抗が主流であった頃、ある会社の基板は、やたらに赤色が目立つ一方、別の会社の基板は、橙色だらけだった、と記憶にあります。

若い方のために、上記の話の補足をしておきます。リードタイプの抵抗は、その抵抗値をカラーコードで表記していました。カラーコードの赤色は2、橙色は3を表しています。つまり、2.2 KΩをたくさん使えば赤色、3.3 KΩが多ければ橙色が目立つことになります。

今回は、技術的内容に乏しく、昔話、あるいは、処世術的内容になってしまいました。こんな「よもやま話」ですが、「息抜き」ということで、ご容赦をお願いします。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

オリナスについて
もっと知りたい方はこちら

資料ダウンロードや製品・サービス内容に関するご質問やご不明な点などがありましたら、こちらよりお問い合わせください。

ご質問やお問い合わせはこちら

オリナスへのお問い合わせや、製品に関するご相談やご質問はこちらです。

お役立ち資料をダウンロード

オリナスの会社情報パンフレットや製品カタログのダウンロードはこちらです。

メルマガ登録