
電気・電子回路における非線形回路 -ログアンプ(2)-
①はじめに
ログアンプの出力は入力の対数になりますから、dB(デシベル)出力が得られる筈です。そこで、今回は、ログアンプの基本原理回路を出発点にして、dB出力アンプを構築してみたいと思います。
②ログアンプの基本原理回路からdB出力アンプの構築
仕様
目標とするdB出力アンプの仕様は、以下のようにします。
ダイオード_電圧電流特性
・(前回示した)トランジスタを使ったログアンプをもとにする
・入力範囲は、0.1V~10V
・入力1Vを0dBとし、出力は0V
・入力0.1V(-20dB)のとき、出力は-2V
・入力10V(20dB)のとき、出力は2V
ログアンプ基本回路の出力特性
トランジスタを使ったログアンプの出力特性を調べます。
シミュレーション
シミュレーションファイル「ログアンプ_出力特性.asc」を参照してください。
入力0.1Vのとき、出力は-536mV、入力1Vのとき、出力は-596mV、入力10Vのとき、出力は-655mVとなっています。出力は反転しており、20dBあたり、-60mVの出力変化です。
ログアンプ出力からdB出力
シミュレーション
シミュレーションファイル「ログアンプ_dB出力構築.asc」を参照してください。
ログアンプの出力からdB出力を得るための演算を機能ごとに示した回路です。最初に、反転出力を非反転とするために、-1倍しています。次に、入力1V時に出力0Vにするために、入力1V固定のログアンプの出力(を非反転とした)電圧を減算しています。さらに、60mV/20dBを2V/20dBにするために(2V/60mV=)33.3倍増幅しています。
上記の3段階の演算は、差動アンプ1つで実現できます。シミュレーションファイルには、構成を簡略化する考え方を示すための回路も含まれていますので、差動アンプに不慣れな方は、参考にしてください。
dB出力アンプ
シミュレーション
シミュレーションファイル「dB出力アンプ.asc」を参照してください。
ログアンプ出力をオペアンプによる差動アンプで演算して、dB出力を得る回路を収めてあります。なお、ゲインを微調整してあります。
シミュレーション
シミュレーションファイル「dB出力アンプ_6dBステップ.asc」を参照してください。
入力を2倍ステップで変化させています。出力が6dBステップ(0.6Vステップ)となっていることが観察できます。
0.1V基準_dB出力アンプ
入力0.1Vを基準(0dB)とし、入力10V(40dB)のとき、出力4Vとなる回路も考えてみました。
シミュレーション
シミュレーションファイル「0.1V基準_dB出力アンプ.asc」を参照してください。
2種類の異なる回路を収めてあります。原理的には、優劣はないと思われますが、実機を製作する場合には、どちらかが有利になるのではないかと思います。
今回のまとめ
次回は、ログアンプを応用した非線形演算を取り上げる予定です。
今回取り上げましたサンプルファイルを使うには、アナログ・デバイセズのサイトよりLTspiceをダウンロードしてご利用下さい。

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