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第121回:電気・電子回路における非線形回路 -ログアンプ(2)-

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第121回:電気・電子回路における非線形回路 -ログアンプ(2)-

電気・電子回路における非線形回路 -ログアンプ(2)-

①はじめに

ログアンプの出力は入力の対数になりますから、dB(デシベル)出力が得られる筈です。そこで、今回は、ログアンプの基本原理回路を出発点にして、dB出力アンプを構築してみたいと思います。

②ログアンプの基本原理回路からdB出力アンプの構築

仕様

目標とするdB出力アンプの仕様は、以下のようにします。

ダイオード_電圧電流特性

・(前回示した)トランジスタを使ったログアンプをもとにする

・入力範囲は、0.1V~10V

・入力1Vを0dBとし、出力は0V

・入力0.1V(-20dB)のとき、出力は-2V

・入力10V(20dB)のとき、出力は2V

ログアンプ基本回路の出力特性

トランジスタを使ったログアンプの出力特性を調べます。

シミュレーション

シミュレーションファイル「ログアンプ_出力特性.asc」を参照してください。

入力0.1Vのとき、出力は-536mV、入力1Vのとき、出力は-596mV、入力10Vのとき、出力は-655mVとなっています。出力は反転しており、20dBあたり、-60mVの出力変化です。

ログアンプ出力からdB出力

シミュレーション

シミュレーションファイル「ログアンプ_dB出力構築.asc」を参照してください。

ログアンプの出力からdB出力を得るための演算を機能ごとに示した回路です。最初に、反転出力を非反転とするために、-1倍しています。次に、入力1V時に出力0Vにするために、入力1V固定のログアンプの出力(を非反転とした)電圧を減算しています。さらに、60mV/20dBを2V/20dBにするために(2V/60mV=)33.3倍増幅しています。

上記の3段階の演算は、差動アンプ1つで実現できます。シミュレーションファイルには、構成を簡略化する考え方を示すための回路も含まれていますので、差動アンプに不慣れな方は、参考にしてください。

dB出力アンプ

シミュレーション

シミュレーションファイル「dB出力アンプ.asc」を参照してください。

ログアンプ出力をオペアンプによる差動アンプで演算して、dB出力を得る回路を収めてあります。なお、ゲインを微調整してあります。

シミュレーション

シミュレーションファイル「dB出力アンプ_6dBステップ.asc」を参照してください。

入力を2倍ステップで変化させています。出力が6dBステップ(0.6Vステップ)となっていることが観察できます。

0.1V基準_dB出力アンプ

入力0.1Vを基準(0dB)とし、入力10V(40dB)のとき、出力4Vとなる回路も考えてみました。

シミュレーション

シミュレーションファイル「0.1V基準_dB出力アンプ.asc」を参照してください。

2種類の異なる回路を収めてあります。原理的には、優劣はないと思われますが、実機を製作する場合には、どちらかが有利になるのではないかと思います。

今回のまとめ

次回は、ログアンプを応用した非線形演算を取り上げる予定です。

今回取り上げましたサンプルファイルを使うには、アナログ・デバイセズのサイトよりLTspiceをダウンロードしてご利用下さい。

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