1. HOME
  2. お役立ち情報
  3. 電子回路技術情報よもやま塾
  4. 第123回:電気・電子回路における非線形回路 -非線形演算回路-

第123回:電気・電子回路における非線形回路 -非線形演算回路-

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
第123回:電気・電子回路における非線形回路 -非線形演算回路-

電気・電子回路における非線形回路 -非線形演算回路-

①はじめに

前回までに準備ができた、dB(対数)への変換回路とdBでの演算回路、および、dBからの逆変換回路を組み合わせて、非線形演算回路を構成し、シミュレーション実行させてみます。

②非線形演算のシミュレーション

2入力乗算回路

2つの入力をそれぞれdB変換して、加算した後、逆変換して、2入力の乗算結果を出力します。

シミュレーション

シミュレーションファイル「2入力乗算回路.asc」を参照してください。

加算回路には、4入力(差動入力対?2)に拡張した、ゲイン1の差動アンプを使っています。V1入力には1V~5V、V2入力には1V~2Vを入力していますので、出力には、V1?V2の演算値1V~10Vが得られています。入力値を変えて確認してみてください。

2入力除算回路

2つの入力をそれぞれdB変換して、減算した後、逆変換して、2入力の除算結果を出力します。

シミュレーション

シミュレーションファイル「2入力除算回路.asc」を参照してください。

減算回路には、ゲイン1の差動アンプを使っています。V1入力には1V~10V、V2入力には10Vを入力していますので、出力には、V2÷V1の演算値10V~1Vが得られています。乗算回路と同様に入力値を変えて確認してみてください。

n乗回路

入力をdB変換して、n倍した後、逆変換して、入力のn乗演算結果を出力します。

シミュレーション

シミュレーションファイル「n乗回路.asc」を参照してください。

n倍回路には、非反転アンプを使い、ゲイン2とゲイン3の回路を収めてありますので、2乗演算回路、3乗演算回路を構成しています。入力は1V~2Vですので、2乗値1V~4V、3乗値1V~8Vを出力しています。

nの値は、整数である必要はありません。ぜひとも、ゲイン1.5,ゲイン2.5などに変更して確認してみてください。

n乗根回路

入力をdB変換して、(1/n)倍した後、逆変換して、入力のn乗根演算結果を出力します。

シミュレーション

シミュレーションファイル「n乗根回路.asc」を参照してください。

(1/n)倍回路には、抵抗分圧回路とゲイン1の非反転アンプを使い、ゲイン(1/2)とゲイン(1/3)の回路を収めてありますので、平方根演算回路、3乗根演算回路を構成しています。入力は1V~10Vですので、平方根値1V~3.16…V、3乗根値1V~2.15…Vを出力しています。

nの値は、整数である必要はありません。N乗根回路と同様に、ゲイン(1/1.5),ゲイン(1/2.5)などに変更して確認してみてください。

今回のまとめ

「n乗、n乗根といった、なじみの薄い関数に利用価値がどれだけあるのか?」と思われる方もおられるかもしれません。ところが、ある種のセンサは、かなりの非直線出力特性をもっています。そのようなセンサ出力のアナログ演算による補正が必要であれば、有用ではないかと思われます。ただし、現代的な補正方法は、補正データテーブルなどを使ったデジタル方式が主流になっていると思います。

次回は、交流信号(正弦波)の非線形演算を取り上げる予定です。

今回取り上げましたサンプルファイルを使うには、アナログ・デバイセズのサイトよりLTspiceをダウンロードしてご利用下さい。

国内初!!超小型、6V入力DC/DCコンバータ新登場!!
業界最小サイズ!:独自開発のパッケージングで実装面積は3mm×3mm、厚さ1.4mm
抜群の変換効率!:最大90%以上

詳細は ここ をクリック

ご興味、ご関心のある方は「お問い合わせ」をクリックの上、ご連絡下さい。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

オリナスについて
もっと知りたい方はこちら

資料ダウンロードや製品・サービス内容に関するご質問やご不明な点などがありましたら、こちらよりお問い合わせください。

ご質問やお問い合わせはこちら

オリナスへのお問い合わせや、製品に関するご相談やご質問はこちらです。

お役立ち資料をダウンロード

オリナスの会社情報パンフレットや製品カタログのダウンロードはこちらです。

メルマガ登録