1. HOME
  2. お役立ち情報
  3. OLINASニュース
  4. 二次電池の部品選定の基礎知識

二次電池の部品選定の基礎知識

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
二次電池の部品選定の基礎知識

「この電池、本当にこれでいいのかな?」と迷ったことはありませんか?

ニッケル水素電池やリチウムイオン電池はもちろん、リチウムイオン電池の中にも様々な種類があり、二次電池の選定は悩ましい工程です。
この記事では、リチウムイオン電池を中心に、二次電池の選定ポイントを分かりやすく整理しました。
設計に取り組む方も、調達に関わる方も、ぜひお役立てください。


1.二次電池の分類
ひと口に二次電池といっても様々な種類があります。それぞれの電池の特徴を確認していきましょう。

<二次電池の分類>

鉛蓄電池

エネルギー密度が低く重量があるため大型ですが、非常に安価で信頼性が高い電池です。頻繁な充放電では劣化が早いものの、常時フル充電で使う用途(自動車の始動用、通信インフラのバックアップ、船舶、定置型蓄電など)では今も広く使用されています。

ニッケルカドミウム電池(NiCd)
耐久性・安全性が高く、過酷環境でも長寿命を発揮する優秀な電池です。しかし、カドミウムの有害性による環境規制のため、現在では鉄道や航空機など特殊用途に限られています。

ニッケル水素電池(NiMH)
ニッケルカドミウム電池に比べて環境負荷が低く、エネルギー密度も高いため、かつては携帯電話や家電で広く採用されていました。ただし、メモリ効果が完全には解消されず、現在ではハイブリッド車や一部産業用途に限定されています。

リチウムイオン電池(Li-ion)
ニッケル水素電池より高いエネルギー密度で軽量、メモリ効果がなく、近年は安全技術も向上したため、スマートフォン、ノートPC、EVなどで現在の二次電池市場の主流となっています。

全固体電池
まだコストが高いなどの理由により普及には至っていませんが、エネルギー密度が非常に高く、安全性・寿命も優秀な次世代電池として期待されています。


<主なリチウムイオン電池の種類>

コバルト系(LCO)
高エネルギー密度で軽量なため、スマートフォンやノートPCなどの小型機器向けで主流です。ただし、寿命が短く熱暴走しやすいことや、供給が不安定なコバルトを多く使用するといった背景もあり、大型機器には不向きです。

ニッケル・マンガン・コバルト系(三元系/NMC)
供給不安定なコバルトの使用量が低減され、エネルギー密度と安全性のバランスが良いため、EVや蓄電用途で主流となっています。

リン酸鉄系(LFP)
エネルギー密度はやや低く小型化には不向きですが、熱暴走しにくく寿命も長いため、EVや定置型蓄電でシェアを伸ばしています。

ニッケル・コバルト・アルミ系(NCA)
非常に高いエネルギー密度と軽量性を持ち、航続距離を重視する高級EVに採用されることが多いです。ただし、安全性確保のため高度な管理が必要で、コストも高めです。


2. リチウムイオン電池の選定ポイント
まずは一般的なリチウムイオン電池のセルの基本仕様を理解しておきましょう。

セルの形状・サイズ
円筒型、角型、ラミネート型など、セルの形状やサイズによって容量、放熱性、内部抵抗が異なります。これらは、周辺部品の熱設計や実装スペースに直接影響します。

セル構成(直列/並列)
直列構成は耐圧、並列構成は電流容量に直結します。セル数は、保護回路やFET、シャント抵抗などの耐圧・電流定格を決める基準となる重要な項目です。

電圧仕様
公称電圧だけでなく、最大充電電圧および最小電圧を把握することが重要です。最大電圧は充電方式や電源ICの選定に影響し、最小電圧は機器の停止条件や保護回路の動作条件に関係します。この電圧レンジを前提として、システム全体の電圧設計を行います。

電流仕様
連続放電電流およびピーク電流を確認し、セルが実使用条件に耐えられるかを評価します。これらの値は、配線、FET、シャント抵抗など周辺部品の電流定格と整合を取る必要があります。

容量と実効容量・寿命
カタログ上の容量(Ah)はあくまで目安であり、実際に使用できる容量は放電電流や温度条件によって変化します。また、サイクル劣化による容量低下も考慮し、実使用条件に基づいた寿命見積もりが重要です。

内部抵抗と温度特性
内部抵抗は電圧降下や発熱に直結し、温度によっても大きく変動します。初期値だけでなく、使用による増加を考慮し、寿命末期でも必要な電圧・出力が確保できるかを評価する必要があります。


3. 二次電池まわりの主要部品と確認ポイント
二次電池の選定においては、一緒に使用する周辺部品の選定や設計も重要になります。ここではリチウムイオン電池の周辺部品について代表的なものを紹介します。

保護回路(PCM/BMS)
保護回路は安全確保において非常に重要な要素です。また、セル寿命にも影響します。過充電・過放電・過電流のしきい値が実使用条件に適しているかを確認します。多セル構成では、セルのばらつきを抑えるためのバランス制御方式も重要な検討項目です。

シャント抵抗(電流検出抵抗)
セル電流に適した抵抗値と許容電力を選定します。温度上昇による抵抗値変動(TCR)も測定精度に影響するため注意が必要です。

FET(スイッチング素子)
セル電圧・電流に対する耐圧、Rds(on)、熱特性を確認します。特にピーク電流時の損失と発熱を考慮した選定が重要です。

サーミスタ(NTC)・温度検知部品
セルの温度仕様に合ったB値や耐熱性を選定します。温度センサは配置も重要で、表面温度と内部温度の差を考慮した設計が求められます。

配線・コネクタ
定格電流だけでなく、接触抵抗や発熱も考慮して選定します。振動環境や長期使用を想定し、信頼性の高い構造が必要です。

筐体・パック構造
放熱経路の設計や振動・衝撃対策は、電池寿命と信頼性に直結します。防水・防塵が必要な場合は、シール構造やガス抜き構造も含めて検討します。


4. まとめ
 二次電池は「電気を蓄えて繰り返し使う」という産業上の要求に応える形で発展し、現代ではリチウムイオン電池が主流となっています。リチウムイオン電池の部品選定では、セルの基本仕様を理解せずに使用すると、誤動作・性能劣化・寿命低下を引き起こす可能性があります。セルの基本仕様と周辺部品の選定ポイントを抑えることが信頼性の高い電池設計につながります。

 オリナスは、部品選定サポートを通じて、設計者の皆様の負担を軽減するお手伝いをしています。二次電池の部品選定でお悩みの事がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

 (お問い合わせ窓口:https://www.olinas.co.jp/contacts.html

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

オリナスについて
もっと知りたい方はこちら

資料ダウンロードや製品・サービス内容に関するご質問やご不明な点などがありましたら、こちらよりお問い合わせください。

ご質問やお問い合わせはこちら

オリナスへのお問い合わせや、製品に関するご相談やご質問はこちらです。

お役立ち資料をダウンロード

オリナスの会社情報パンフレットや製品カタログのダウンロードはこちらです。

メルマガ登録